湘南哀歌

緑したたる 鎌倉で
泣いて別れた あのひとは
今はあいつと 結ばれて
会うに 会えない 人となる

白と紺との 制服の
肩でゆれてた 長い髪
花の香りの 唇に
ふれたあの日は もう遠い
夏が来た ほろ苦い想い出つれて
夏が来た ただひとり湘南哀歌

雨がそぼふる 江の島へ
傘を斜めに 傾けて
橋を渡れば 思い出す
髪をぬらした あのひとを

俺とあいつと あのひとが
舟を背にして 微笑んだ
古い写真を ひきさいて
海に流して あきらめる
夏が来た ほろ苦い想い出つれて
夏が来た ただひとり湘南哀歌
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