湖愁

青い湖 たそがれて
霧がしずかに 湖水をはしる
胸にさざ波 面影が
熱い涙と あふれくる
夢もちりぢり 旅の空

遠く流れる 浮雲を
ふたり見ていた 岸辺の小径
若い五月の そよ風を
たどれば白き 鈴蘭の
姿やさしい 思い出よ

窓にうつろう 三日月を
ひとり眺める 湖愁の宿よ
二度とかえらぬ 過ぎし日が
夜の静寂(しじま)に チクタクと…
古い時計の 淋しさよ
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