浜酒場

北のはずれの 小さな港
あの人想って もう二年
追って行きたい 船もない
知って鳴くのか かもめどり
肌が淋しい 一夜の夢を
添えた日胸に 浜酒場

窓に映るは 面影ばかり
硝子戸ゆすって 風が吠く
好きと言われた うれしさに
酔って私は 燃えました
酒よも一度 逢わせておくれ
はまなす紅い 浜酒場

雪が横から 海へと落ちる
死にたくなるほど 求めたい
波の向こうの あの人を
夜が来るたび 恋しくて
情けあるなら 戻って来てよ
汽笛がひとつ 浜酒場
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