通りを越え行く

通りを越え行く
夕暮れ時とて
買い物の人せわしげに

夜も更けてから
家にたどりつく
見慣れた部屋のなつかしき

ああ町の音遠くにして
寒き夜なら猶(なお)なつかし
今朝のままなる我が部屋の

気にかかる仕事を終え
湯浴みしときの楽しさよ

寝るともなくころがっていた
過ぎるともなく過ぎていた
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