時計

部屋を出てゆくわ 今
あなたが留守のうちに
らしくない泣き顔は見られたくない

一枚の紙切れで
名前が変わるだけで
あなたと暮らした日々
消せはしないのよ

お互い 疲れはてた心を
知ってて 隠しながら
熱い想い それでもまだ
あきらめないでいた

壁の時計 このままで
はずさないでいて欲しい
幸せだった二人過ごした
時間(とき)をここに残してゆきたいの

好きにさせてよ...なんて
昔 遊んでた頃
口癖だった言葉
ひとり つぶやいた

荷物を運びだせば 私の
影は あとかたもない
私みたく いい女を
はやく つかまえてね

壁の時計 きざまれた
過去は二度ともどらない
私のことも 愛したことも
あなたは忘れていい すぐにでも

壁の時計 このままで
はずさないでいて欲しい
幸せだった二人過ごした
時間(とき)をここに残してゆきたいの
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