黄昏のアンニュイ

突然に胸が痛んできて
くれなずむ都会を歩いた
何をするあてもないままに
人の波の中を

黄昏(たそがれ)は今日もけだるいまま
むらさきのベールを垂らして
人はみなアンニュイで
知らぬ顔をしてる

愛されて 愛を知り
あれほど強く生きてたのに
いたずらで愛を捨て
くちずさむ歌さえも失った

飾り窓のぞく楽しみさえ
起らない心が切ない
ひとりでは頼りないからと
人に押され歩く

ありふれたドラマであったなら
この辺で奇跡の出逢いが
現実は夢のようでなく
すぐに夜が包む

黄昏のアンニュイは
虹色の吐息もらすよう
愛の日をふたたびと
少しだけ小走りに歩いた
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