千夜一恋 ~senya-ichiren~

旅路の果て 出逢ったのは
穢れを知らぬ 黒髪の女(ひと)

誰より大事と告げれば何もかも
砂丘に崩れて 消えること知ってても

千夜に咲く サファイアの瞬き
さらえば枯れてしまうでしょう
薬指に口づけのリングを
贈るよ 忘れないで

千夜の末 つなぐ恋はひとつ
明日は途切れる絆
僕は永久(とわ)に今夜を抱きながら
泪に濡れるのでしょう
白い星だけが見ていた

あなたの瞳(め)が潤むわけを
探しているよ 炎が揺れる

プリンセスヴェールを剥いでなぞる躰
背中に爪立て もっと悦び見せて

千夜を越え ほとばしる愛情
残さず注ぎ込んだら
まるで燃えるアラベスクさ ふたり
手足を絡ませ合う

やがて星が静かに溶けだして
教える 出発の時
宝石より美しい秘密を
連れて旅に出ようか
白い鳥が迎えにくる

千夜に咲く サファイアの瞬き
さらえば枯れてしまうでしょう
薬指に口づけのリングを
贈るよ 忘れないで

羽ばたく鳥 朝日を背に受けて
はこぶよ 次の国へと
宝石より美しい秘密を
連れて旅に出るのさ
さよならを告げて
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