遊行柳

月夜の影に揺れている
芦野の里の遊行柳
ずいぶん遠くへ来たものと
二人肩を並べて微笑む

あなたがもしも風ならば
私は風にそよぐ柳
互いが互いにその身をまかせ
寄り添い合えたら どんなに幸せ

ンー あなたと私
ンー いついつまでも

この道どこまで続くのと
たずねてみても遊行柳
何にも言わずに泳いでる
去りし日々を語ることもなく

あなたが川の流れなら
私は漂う花筏
互いが互いにその身をまかせ
ひとつになったら 夢は花ひらく

ンー あなたと私
ンー いついつまでも

いつしか風がやんだなら
柳も眠りに就くでしょう
何にも持たずに二人きり
旅の終わり月へ昇りましょう
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