ひとり寝の宿

濡れて乱れた おくれ髪(げ)を
指で撫でれば 寂しさつのる
あなた忘れる ひとり寝の宿
ひとつ余った 浴衣にも
涙ひとすじ 頬つたう

みんな私が 悪いのと
悔いてみたって 今では遅い
あなた忘れる ひとり寝の宿
膝を崩して 飲む酒が
思いださせる やさしさを

二度と逢えない 人だもの
明日は捨てたい 女のみれん
あなた忘れる ひとり寝の宿
川のせせらぎ 聴きながら
枕だいてる 夜明け前
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