のんべ

一緒に暮らそうと冗談でもあんたが
言ってくれたからあたしホロリときたんや
のんべでアホな女といいかげんな男
うまくやれるはずないわ 試してみないでも

笑いながら笑いながら眠っていたんや
泣きながら泣きながら寝むった日もあったのに
あんたの肩を時々たしかめてみたんや
いつのまにかいつのまにか 消えてやしないかと

そうやあたしは母さんのように
ふつうになろうとしたけど なりきれなかったんや

あんたが一晩中そばにいてくれたから
大人になってはじめてぐっすり眠れたんや
子供の頃によく見た夢をまた見たよ
月の浜辺で裸足で おどってる夢を

出て行ってよ出て行ってよ無理を言わないでよ
たった一夜たった一夜夢見ただけなんや

せめて一度私の手料理食べて欲しかったけど
もうおしまいもうおしまい すぐに出て行って

あんたが一晩中母さんのように
抱きしめてくれたから 幸せになれたんや

泣きながら泣きながらまたひとり寝るんや
笑いながら笑いながら眠れる日まで
あ・ん・た
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