自由を纏う女

デジャブのように 何処となく
ふられる事 知ってた君が
別れ際に笑ったのは
聞き憶えのある台詞

いたずらに恋を
演じた君は
涙さえ流せはしない
「愛」とかいうもの
知りたいだけで
試しても 試しても

ミラー覗いて確かめる
あるはずもない涙の跡
淋しそうに街を歩けば
また拾えるだけの恋

ガラス越しに横目でみる
ストローをくわえたまま
映画のような恋がいい
2時間だけの恋

愛を告げるなら
字幕をつけてと
困らせるジョークがいつか
本気になってる
自分が見えない
気づかずに 今夜も眠る

何を望もうと誰にも
止められない自由がある
泣いてみたい君は今日も
綺麗な眼をそらす

歯の浮く台詞を浮かべて
微笑みをうつしてみる
鏡の中にはいつでも
思いどうりの恋

自由な女が
すがるものはない
繋いでくれる鎖もない
傷つく事など
なにもないのが
淋しくて 今夜も踊る

だれもいない君の心の
隅に小さな扉がある
「危険」と書かれたその扉を
見つめる君が見える
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