風めぐり

岬の風が
浜へと抜けて
白いハマナス
見つけたあの日

天まで伸びた
入道雲は
気づかぬうちに
どこへ千切れた

いまでも時に
ばあちゃんの
温い(ぬくい)てのひら
思いだす

あゝ風めぐり
ふるさとへ
目を閉じれば
帰る道がある

つぐみが羽を
休める枝に
冬は近いと
知らせが届く

咲きもしないで
散る花もある
季節は夢を
置き去りにして

好きだと言えず
待っていた
あの娘 今頃
どこの街

あゝ風めぐり
ふるさとへ
ふと見上げる
遠い空がある

川面に映る
桜の舟は
時を流れて
思いを運ぶ

どんなに遠く
離れても
いつもてのひら
握ってる

あゝ風めぐり
ふるさとへ
目を閉じれば
帰る道がある

あゝ風めぐり
ふるさとへ
目を閉じれば
帰る道がある
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