涙のチャング

昨日は南 今日は北
娘哀しや アリラン越える
仰ぐあの空 親なし雉子(きぎす)
啼けば焼野に 雨が降る

荒れた山肌 巻く砂に
消えたあの歌 楽しいむかし
想い出します すずらん草に
祝寿太鼓(まつりチャング)の 懐かしさ

焼けて追われて 夜が更ける
いたむ素足に つめたい風よ
仮寝ほろほろ 睫毛が濡れる
恋し母様(おもに)の 夢を見た

昨日は峠 今日は谷
白衣(チョゴリ)愛しや いつ旅終える
愛の夜空に きらめく星を
訪ね訪ねて 逢う日まで
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