さよなら

ねえ君は覚えているの 始めて出会ったときのこと
ほのかに香る風 吹き抜けていた
暖かく輝く毎日が ふたりをそっと包み込んで
時の流れ僕らに優しかった

寄り添って聴いた歌 今はしまっておこう
君がいないなら この歌は悲しすぎるから

「さよなら」と つぶやいた
僕は変われるのかな
足りなかったものを
探しに歩き出すんだ

僕らは夢を見る
あふれる光の数だけ
揺れ動く想い
せつなくて

頼りない街灯 手をつなぎ君を見送った帰り道
今ごろ君ひとりで 歩いてるの
大きなビジョンの真下 僕らの待ち合わせ場所だった
いるはずない君の姿が甦る

まぶた閉じれば 君は笑うけど
僕を呼ぶ声 聞こえなくて 遠ざかってゆく

出会えた その日から
積み上げてきた幸せ
悲しいことだけど
やがて忘れてしまうのかな

遠く離れた君に
涙はもういらない
人混みに紛れて
独り立っている
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