新宿はぐれ鳥

別れ話の いきさつは
ささくれ畳に 聞いとくれ
今じゃ喧嘩も できないが
どうしているのよ こんな夜は
あんた 新宿迷い鳥
想いで数えて いるのなら
ここで も一度 ねえ 暮らそうよ

店の帰りに ふたりして
並んで放った お賽銭
合わせた両手の 隙間から
いつしか倖せ 逃げていた
ふたり 新宿はぐれ鳥
沈んでばかりの 身の上は
誰のせいでも ねえ ありゃしない

路地を吹く風 肩で切り
帰っておいでよ この街へ
遊びがすぎてた ひとだけど
それでもあんたが 好きなのよ
あたし 新宿阿呆鳥
男を愛して 泣くなんて
これで最後に ねえ したいのよ
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