ファニー

古い港の町で
あの娘(むすめ)に もしも会ったら
渡してくれないか
この青い指輪を
別れた日から もしも
つらい暮らし しているなら
指輪がゆるいだろう
気がかりさ そいつが
ファニー あだ名はファニー
やさしい娘(こ)さ
肌 寄せ合って暮らした
ふり向くたびに過去は
ひと駅ずつ遠くなってく
わがままなこの夢
責めてた泣き顔も

都会の海に呑まれ
誰もみんな 変わってゆく
おれも夢を売って
あの娘が幸せなら
なにも言わず 戻っておくれ
翡翠色の海に
指輪を捨ててくれ
ファニー ふるさとファニー
帰りたい
でも 遠すぎるお前さ
グラスの中の海は
過去とおなじ セピアの色
お前が愛してた あのおれは
死んだよ ファニー………
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