北の駅舎

港の風が 吹きぬける
寂(さ)びた運河の 坂の街
旅の日暮れに 行き着いた
小樽は淋しい 北の駅舎(えき)

男は胸の 片隅に
忘れられない 人がいる
涙あふれる 想い出に
なぐさめられる 北の街

港の月に 照らされた
浜の酒場で ひとり飲む
都会ぐらしの 傷跡に
情けが沁みる 旅の酒

去りゆく人も 来る人も
風に背中を まるめてる
生きる運命(さだめ)は 違えども
名残がつのる 北の駅舎
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