オホーツク恋唄

おやじさんは パタパタと
うちわで火を熾(おこ)す
焼けたホタテを 並べて
わたしはほろり酒
ここは知床 男の漁港
憎いあんちきしょうを 追って来た
ばかだよ ばかだよ
可愛いわたしを 放ったらかして
稼ぎで浮寝の オホーツク

おやじさんは ブツブツと
うつむきひとり言
やん衆なんかにゃ 惚れるな
惚れたら泣きをみる
羅臼 網走 紋別 宇登呂
憎いあんちきしょうは 浮気どり
ばかだよ ばかだよ
可愛いわたしと 魚の群れと
どっちにするのよ あんたはさ

鴎(ごめ)よ ゆくなら 伝えておくれ
憎いあんちきしょうは 波枕
ばかだよ ばかだよ
可愛いわたしを 抱きたいならば
上(あが)って 来い 来い オホーツク
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