イカロス

さあ、手を取って
嗚呼、曇り空引き裂いて
嗚呼、自由を教えて

鎖のような絆で繋がれたこの街を 出る勇気もないまま
私は両手広げた 排気ガス染み込んだ重たい羽

届かない叶わない 乾いていく心を
吐き出した ノートの切れ端 握りしめ
飛び出した教室 自由が欲しいよ
私が私を探していた

嗚呼、鉛色の空に
嗚呼、私は願った
嗚呼、嵐が来るなら連れて行って

皆同じでなくちゃ 監視されて生きられなかった
同じ制服の下 私は何度殺したんだろう 自分の声を

タブーの理由さえ 知らないままに
抑え付けられていた あの日の自分が
空想という羽 ばたつかせながら
解放してほしいと 願っている

出口を見つけた
イカロスは
どんな自由を夢見たんだろう

さあ、手を取って
嗚呼、曇り空引き裂いて
嗚呼、現れる光
嗚呼、もういっそ焼かれてしまってもいい
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