夢路

路地裏ひと間の 薄灯り
今もせつなく 瞼に浮かぶ
思い通りに ならなくて
畳に涙の シミの痕(あと)
何にもなかった 夢だけあった

電話は掛けない 母さんに
声を聞いたら なおさらつらい
薄い布団(ふとん)に くるまって
心で何度も 詫(わ)びた夜
あれから何年 たつのだろうか

春風(はるかぜ)優しい 公園の
桜の下で 誓った夢よ
たとえ明日が 遠くても
それでも自分を 信じてた
何にもなかった 夢だけあった
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