夕暮れと共に

忘れものを忘れてしまわぬよう
君の好きな歌を歌うよ
ららら ここは悲しみなど見えない
何もかもが眩しくて痛いよ

手のひらかざして拒んだ夕暮れ
窓辺の席から影は伸びて
そのまま何もない隙間を黒く染めて隠した

始めから何ひとつそこには無いかのよう
私だけが知ってる
いつのまにか綺麗に消えてしまったものは
大切なものばかり

ここにいるよ 君のいない時間は
どこにいても 迷ってしまう
世界中が忘れてしまう前に
一つ一つ この胸に刻むよ
君と出会うために生まれてきたんだ
まだ覚えているから

擦れていく名前の跡
そこにある記憶
昨日までも崩れていく 音も立てず
だから君に 今すぐにも
話をしたくなってしまうよ

暗く迫る影から逃げるように走った
振り返ることもなく
階段を上り抜け 閉じられたドアの先
ごめんね 会いにきたよ

忘れ物を忘れてしまわぬよう
君の好きな歌を歌うよ
二人並び見下ろしてた景色は
一人きりじゃ何も見えないから
あてのない世界に彷徨う陽炎
ふわりと揺らいだ

ららら 滲む仰ぎ見る空の色
とても紅く雲一つない
君のもとへ 早く声を聞かせて
どこにいるの 私はここにいる
伸ばしたはずの手は何を掴めたの
ただ涙が止まらない
ああ消えてしまう 私の日々
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