虚離より

輪郭を滲ます光が窓から雰囲気を作る

「いらない物だから…」

「言わないはずだから…」

「いかない約束は…」

思い出してなぞり
目の前をよぎる
耳の中にとどめる

静けさが時計の針を刻んで
染みて 沈んで

張りつめそうな空気

振り出しそうな天気

立ち去りそうな足元

逢わなくなりそうな面影

踏まずに過ごしそうな床

思い出になろう景色

一度で一瞬で振り返ってしまった

うつむいて熱心に見つめるその姿
靴脱いで決心に揺れるのを待ったのは
黙っているから

未だ未だ大丈夫

声に出すと不味い

抜け無い
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