インヘルノ

妙に澄んだ真冬の夜明けが
綺麗すぎて部屋を出るの躊躇したんだ
清く正しく生きていくつもりが
汚れつちまつた心と躯

唇から零れる唄だけが道標
それだけでいいのさ
私の生きる希望は
東京の渦のなか
産まれ重ねていく旋律

大正生まれの彼女は泣いていた
惨い傷はひとつも乾いていないのだ
噛みしめる様に語る 1945
赤い壁に焼きついた影

ひとの哀しみの上に
成り立つあらゆることを
正義とは呼べないさ
私が生かされる理由が
長崎の過去、未来を
絶えず繋いでいく物語

ひとの哀しみの上に
成り立つあらゆることを
正義とは呼べないさ
唇から零れる唄だけが道標
それだけでいいのさ
私の生きる希望は
東京の渦のなか
産まれ重ねていく旋律
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