堰堤の匠

高くそびえる 匠の仕事(わざ)に
今も惹かれて 魅せられて
堰堤(やま)に入れば 眼が光る
そんな男の ひと汗が
水を護って 樹を護る

辛夷(こぶし) 石楠花(しゃくなげ) 水芭蕉(ばしょう)の花も
女房前では ただの花
さぞや日暮れは 寂しかろ
添えてあげたや 合いの手を
ダムの男の 酒盛りに

今日もよろしく 相棒さんよ
手垢まみれの ヘルメット
ポンと叩いて 風を切る
堰堤(やま)を下りれば 次の堰堤(やま)
仰ぐ弥生の 春の空
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