運河のある町

夜の悪魔が 忘れたような
青い利鎌の 三日月覗く
寒いベンチで 破れた夢を
吹いて散らして 風が吹く
あゝあゝ ここも東京の空の下

雨がどしゃ降りゃ ガードの下か
ごろ寝覚悟の 地下道泊り
泣けというよな 夜汽車の汽笛(ふえ)が
ジンと男の 胸を打つ
あゝあゝ ここも東京の空の下

黒い運河の 在るこの街が
暗い人生 終着駅か
いいや そうじゃない また立上ろ
明日はまた来る 陽も当る
あゝあゝ ここも東京の空の下
×