ふもれすく

例えば 雨にずぶ濡れ野良犬にも
空を流れる雲を眺める木樵達の悲しみは 判らない時もあるだろう
あるいは 昨日見た映画の砂漠のお月様にも
暗い御空のむこうの喜び悲しみは 判らない時もあるだろう
僕にも こんな日々に 明日におののきうめき喜びなげいてる
乙女達の胸の内はおそらく判るまい
だけども この僕が どんなにおののきうめき喜びなげかい
あなたを待っているかは あなたには判るまい
打ち上げられた 酔いどれ破れ船の夢の様に
明日の磯辺に 真砂と砕ける様に
この僕のこのふたつの手で
あなたをどんなに強く抱きしめても
あなたもいつか死んで行くだろうか

崩れていった男や女達の夢のように
明日の御空にあてなくさまようように
この僕のこのふたつの手で
あなたをどんなに強く抱きしめても
あなたもいつか帰ってゆくだろうか
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