風群

空は晴れても 津軽の里は
龍が飛ぶよに 風が舞う
荒れる地吹雪 凍(い)てつく夜は
女子(おなご)ばかりで 貝になる
ハァー あんたをナァー 夢で探しても
線路の果てはョー 白い冬の海

あんた今頃 都会の隅で
たった一人の 晩めしか
遠く離れりゃ 心配ばかり
砕く心の 先に立つ
ハァー 凍(しば)れてナァー 風群に耐えている
恋しい胸にョー うなる雪列車

煤(すす)け柱の 暦が変わりゃ
逢えるその日が 近くなる
鉛色した 寒空背負(しょ)って
私しゃ薪割り 風呂を焚く
ハァー 寝床にナァー やがて聴こえるさ
雪解け水のョー 春の子守唄
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