母日和

むかし… 母は…
遠い故郷の 話をしてた
この胸に しまっておいた
宝物だと

あんたもさあ そういう景色
抱いて抱いて 生きなさい
いいひとに いいひとに なれるから

若い… 母は…
どこを旅して いたのでしょうか
いっぱいの きれいなものを
話し上手に

あんたもさあ こどものうちに
花に風に ふれなさい
そんなこと そんなこと いっていた

そんな… 母を…
なぜか近頃 よく夢にみる
貧しくも 豊かな顔で
生きていたなと

わたしももう あの母の年齢(とし)
鳥に 鳥に なりたいわ
いい景色 いい景色 見えるよう
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