博多なじみ

逢えば別れが つらいのに
それを承知の 深い仲
博多なじみに ひかされて
雨の羽田を 発つ夜は
濡れて待つかと 気にかゝる

うわべばかりの 情なら
すぐに忘れて いたものを
博多そだちの いじらしい
心づくしが 嬉しくて
今日も噂の 中を行く

月に一度の 逢瀬では
怨みたくなる 男でも
博多なじみが 涙ぐむ
東中州の 灯をみれば
じんとこたえる 雨の音
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