つりがね草

緑なす 朝もやの森
ひそやかに 風が渡れば
露にぬれた つりがね草は
乙女たちの 歌に目ざめる

湖のほとりに立ちて
爪弾くは 風の竪琴
咲いてゆれる つりがね草に
懐かし庭 想い巡らす

草の間を 通りぬけてく
金色の光の糸を
紡ぎながら つりがね草の
花の色に 一人慰む
×