レッドノーズ・レッドテイル

マニュアルもない自律飛行
空間を飛び越えるドアも
夢のままさ 変わらないよ
僕らばっかが大人になる

エレベーターホールは人の波で
非常階段を駆け下りていく
君に会いに行こう
2段飛ばして加速する 乱暴な靴音

後者を上履きで飛び回っていた
あの頃と同じだなあ

誰もが憧れた 夢のようなあのドアで
今すぐ傍に行けたらいいのに
オフィスビルを出れば 暮れる気もない夏空
絡みつく空気を蹴散らしながら走り出す

取り出しやすい会社のカードキー
自動改札で止められたり
君に会いに行こう
「聞いて。さっきね、恥ずかしいことがあったんだ。」
ってさ

何度も他愛無いミスするのも
あの頃と同じだなあ

誰もが憧れた 空飛ぶ小さなプロペラ
傍までまっすぐ行けたらいいのに
改札を抜ければ 快速の電光掲示
自動ドアが締まり 君行きの電車が走り出す

あんなにあった沢山の理想
ほんの僅かでも叶えたかな
卒業証書の筒の中にさ
詰め込んだままなんだろう
夢のままなんだろう

空間 飛び超える 夢のようなあのドアも
いつかは夢じゃなくなるのかな
あまりにも近くて忘れそうになるけれど
叶えたんだ僕も 理想のひとつを

行く先は いつもの 週末会うドアだけど
このスペアキーで開く 君が待つドアだ
6本入り片手に 暮れる気もない夏空
プルタブを開けられない 小さな手に
会いに行こう
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