納沙布岬

北の白い灯台に
一人たたずむ女がいて
遠い海に聞いてみる
あの船はまだですか

寒い寒い夜ならきっと
外は白い霧が降る
ぬれて ぬれて あなたを迎えに
飛んで行きたい 納沙布(のさっぷ)

鴎たちはあの頃と
変わりもせず群れてます
一人残る淋しさに
泣いた日と同じです

いくつ冬を越したかしら
心もこごえたままで
流氷たちは寄ってくるのに
あなたのいない 納沙布(のさっぷ)

遠い国でしあわせに
暮らすあなたの夢を見る
夢でも会えてよかったわ
こんな女が私

春が来ても私はきっと
寒い岬に行くでしょう
離れてゆく流氷たちが
あなたに見える 納沙布(のさっぷ)

ぬれて ぬれて あなたを迎えに
飛んで行きたい 納沙布(のさっぷ)
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