木曜日の女

捨てられて泣きたい夜は いつも呼び出してしまう
「あんな男」と悪態ついて 朝まで呑み明かすの
手を離せば 帰ってこない
男なんて 風船ね
遠い空で 割れてしまえ
うそぶきながら 泣き笑い
なぐさめてくれなくても いいの
ふられ上手と言われて いいの
想い出はずっと 消えないから
悲しくても いいの

木曜に電話がかかる 癖で待ちわびれたけれど
日曜日には逢えない女 つなぎの女だった
尻尾(しっぽ)の切れた トカゲみたい
心はほら もとどおり
痛いくらい 好きな男
跡形(あとかた)もなく 忘れるよ
あいつなんて不幸でも いいの
ボロボロになってみれば いいの
いつか淋しくて 思い出して
戻ってきても いいの

木曜日は泣いたって いいの
すぐに慣れてしまうから いいの
壊れた胸にも 朝の光
刺し込む日が くるの
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