ステアーズ ステアーズ

なんとなく用意された階段を
上らずに、一度だけ死んでみたい。
どんな気分だろう?
ここは落ちるには低い。

「また明日」×2
“同じ自分”をまた始めなきゃ……!
『さぁ! 手の鳴るほうへ!』

一つ上ると一つ近づく。
“違くて同じ”
『うってつけだね』
大人になってくって
こういうことなんだって
気が狂いそう?

一つ上ると一つ遠のく。
“僕だったもの”
もう霞んでる。
与えられた位置、
その場しのぎの自分を
また作っていく……。

なんとなく用意された階段を
上らずに、一度だけ死んでみたい。
手首切ると痛いけれど、
くだらないだけだった。

一つ上ると一つ近づく。
“違くて同じ”
『うってつけだね』
「迷わないことっていいことなのか?」って
言えなかったけど。

一つ上ると一つ遠のく。
“僕だったもの”
もう霞んでる。
降りてもいいよって
言ってくれるのって
それは僕だけだった。

上り切ったあの場所で首を吊る夢を見たよ。
やってみたい!
痛いのかな?
紐がないや。
――めんどくさい……。

「明日でいいや」
――なんとなく此処じゃない気がした。
その理由を、これから探しに行く。
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