樫の木島の夜の唄

眠らない男がいて この世界の何処かの
小さな島の 小さな庭の 樫の木が揺れるのを 眺めている間は
世界では誰一人 悪い夢を見ないと言う
何故なら悪魔もそうさ 死神も
彼の物語に 揺られて眠くなっている

満月が登るたびに
彼は思い出している 物語も願い事も
全て消え去ってしまうよ
だから今 夢を見ること
君は無駄だって思うかい
だから今 夢を見ること

眠らない男が昔 愛していた女は
どこかへ消えた 漁船の絵を残して
どんなに綺麗な記憶も 冗談も
消えていく事を 彼は思い出している
浜辺の絵の具は 今でも白いけれど
少しずつ 風に吹かれて
色を変えていく

夜が星を 飾るたびに
彼は思い出している
流れ星の正体が 綺麗な石じゃなくても
流れ星が消える時の
その美しい最後を
だから今 夢を見ること

宝物も願い事も
全て消え去ってしまうよ
赤い靴も 青い鳥も 思い出も夢もぜんぶ
漁船の絵も風見鶏も雨雲も二人の暖炉も
だから今 夢を見ること
君は無駄だって思うかい
だから今 夢を見ること

GOOD NIGHT
GOOD NIGHT
GOOD NIGHT
GOOD NIGHT
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