茶色いうさぎ

寂しがりやうさぎは
いつでも構って欲しくて
空腹でもないのに
お腹が減ったフリをする

寂しがりやうさぎは
私を見て欲しいのと
大きな目に
涙を浮かべたような素振りをする

こんなに白くて
柔らかい毛並みで
それなのに
誰も構っちゃくれないの

いつもいつも見て欲しくて
いつもいつも見てくれだけを
今日も暗い部屋で一人
真ん丸お月様を眺めてる

寂しがりやうさぎは
慌てふためいていた
こんなはずじゃあないのと
何で誰も何も言わないのと

寂しがりやうさぎは
泣くことしかできなくて
水たまりになるまで
涙を流し続けた

そこに初めて
映った自分を見て
恐らく初めて
自分と向き合っただろう

いつもいつも見て欲しかった
いつもいつもご自慢の白も
柔らかいと思っていたのに
全て思い違いと気付いたんだ

ねぇ私はどうしたらいい?
誇れるものなんて何も無いよ

何を本当にバカなこと
言ってるんだい

僕ら生まれた瞬間に
与えられた優しい気持ち
わかるでしょう
それさえあれば
他に何もなくてもつながれる
他に何もなくても解り合える

寂しがりやうさぎは
これからどこへ行こう
どこへでも行けるだろう
誰かと出会えるだろう
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