海に抱かれに

あんたの背中に 爪を立てて
海鳴り聞いた みなと宿
忘れない 冬の日本海
二度と逢えない 男追って 女ひとり
見送る桟橋 迎える桟橋
あの日は あんたが 迎えた
海に抱かれに 海に抱かれに
迎えに来てよ あの日の あたしを

あんたの指先 頬を撫でて
また逢う約束 したじゃない
忘れない 荒れた日本海
あの日限りで 止まったのよ すべてが
降り立つ桟橋 迎える人もなく
あの日は あんたが 見送った
海に抱かれに 海に抱かれに
迎えに来てよ あたしよ あたしよ

海鳥飛べない 空は鉛色
あの日も 雪舞う 港町
海に抱かれに 海に抱かれに
迎えに来てよ 迎えに あたしを
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