時の舟

おんなという名の あぶない舟を
ひとりで操り ここまで来たわ
私いくつに なったのか
生きる素顔の 愛しさよ
浮世ゆらゆら 右に左に
人情片手の 時の舟

世帯をもつかと 口説いた男(ひと)も
いまから思えば いいひとでした
あれは三十路の なかのころ
川の早瀬も 知らないで
浮世ゆらゆら 夢を追いかけ
流れにまかせた 時の舟

落葉をちらした あの木枯が
春にはきれいな さくらを咲かす
紅をひくたび 唇に
うたがでるのよ 恋歌が
浮世ゆらゆら きっと明日は
幸福(しあわせ)のせます 時の舟
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