幸せはトマトと共に

確かにそう 私見憶えある
さっき道であなたが紹介した
昔の友達って

きれいな人
けど嫌味ね
私に愛想なかった
ちょっとあなた
人の話聞いてよって言ったら
思い出したわ

あなたの部屋はじめて行った日
フォトスタンドの笑顔
ひどくあわてて即座に言った
これは僕の妹って
その時以来写真がないこと
楽しくて忘れてた
なんであの時私だましたの
嫌いよ
一歩前歩かせてもらうわ

ちゃんと言うよ 前の彼女なんだ
かくすなんて未練があったのね
やっぱり店出るわ

ちょっと待てよ
君の好きな
トマトジュース飲めよって
ウェイトレス
呼ぶ横顔なんてマジなの
おかしすぎるわ

もういいわよ許してあげる
本当に憎めない人
白状するわ 私何より
苦手なのよトマトが
はじめての朝グラスに入れて
くれたから無理をしたの
ああ美味しいと目に涙ためて
ちがうの
あなたの笑う顔みたさに

あなたも今日
私も今日
二度目の恋しようよ
昨日までの
互いのため
ついたけなげな嘘を祝って

好きは嫌い 嫌いは好きに
恋はいつも急転直下
思えば思うほどささいなことが
世紀の大事件
きっと私はこれからあなたに
何度も恋をするわ
でもその度に必ず言うでしょう
嫌いって
そうしていつしか
仲良くトマトが食べたいな
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