やさしさでつつんで

今夜は恋の炎消して
眠らずに そばにいて
あなたの吐息に出会うたび
まつげの先が揺れている

真夜中の雨が心まで濡らしてゆく
不安な背中をその胸でつつんで

横顔が何か言いたそうで
唇に 触れてみる
読みかけだったミステリー
ベッドの隅に置いたまま

なにげない夜に倖せは溢れている
さざなみのような雨音が嬉しい

窓を打つ雨も朝焼けの虹に変わる
不安な背中をその胸でつつんで
やさしさでつつんで
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