思春期

こんな傷だらけじゃ 帰れないよ…
ともだちなんて ホントはいないの

赤とんぼに誘われるままに
行くあてもなく歩き続けた野道

誰か強く私を抱きしめて
声が出ない 新しい町に負けそう

家族の願いを込めたコスモスの種
ひとつも芽を出さずに秋が訪れる

お母さんが出ていった夜に
初めて太ももの内側を
赤く生ぬるいのがつたった

何が悲しくて
あんなに泣いたのだろう

誰か強く私を抱きしめて
重い空気 いつだって不安なの

希望がほしくて蒔いたコスモスの種
ひとつも芽を出さずに今日も過ぎてゆく

誰か強く私を抱きしめて
だけど こんな気持ち知られたくないの

怖くて不安なまま ブラウスの中で
どんどんふくらんでゆく胸が痛いよ
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