潮来育ち

橋のたもとの 茶山花の
花がなみだの ように散る
潮来おぼろな 十三夜
水棹ななめに
漕げば夜船の 灯が濡れる

紺のかすりに ぽっちりと
泪ひとつが おちるのも
わかれつらさが させたのか
むすめ船頭は
紅もながれる 利根そだち

君が好きだと ささやいて
なぜか真菰に 目を伏せた
ひとにきかせる 船頭唄
あすは東京へ
帰るおかたと 知りながら
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