青い砂丘

青い砂丘に ひとり来て
昔の夢を 偲ぶ夜
そっとひろった 貝がらの
月の光も 透けそうな
はかなさゆえに 愛(いと)おしく

青い光を 掌底(たなぞこ)に
すくえばほろと 散るしずく
幼馴染の あの人と
抱いたあこがれ いずこにか
呼べども風の 鳴るばかり

青いなぎさに くりかえし
変わらぬままに 寄せる波
過ぎて帰らぬ 年月(としつき)を
辿(たど)る思いの ただ遠く
月さえいつか 濡れるもの
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