航海

この夜が明ける頃には 君を連れてこの街を出る
捨て猫の様に寒さに震えて 誰も皆何かを待つだけ

そうさ何も落ちちゃいない このままじゃ失うばかりさ

さあ君の小さな肩を 離さぬ様 この海を渡ろう
吹きつける雨にも負けず 僕らの夢と 幸せのコウカイ

やがて嵐も消えてなくなり 海の向こうに求める場所が

君の喜ぶ顔がうれしくて 転がる夢に目を奪われてる

いつしか僕は繋いでた手を 離したことも気づかなくなってた
あの頃憧れたこの夢の為に 本当に君が必要としたもの

この手を離れ 流されて行く 僕をここに残したまま
捨て猫だった 凍えそうだった 何もなかった ただ君が居た

そして僕は壊れかけのこの船で いつかの様に風吹くのを待って
流れ行く暮らしに安らぐ度に 癒える事なき赤く開く傷を
情けなくなる程のつくり笑顔の中に 見えぬ振りして逃げそうになるけど
次の向かい風に迷わず行かなきゃ この風が生まれる何もないあの場所へ…
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