朝ご飯

旅立ちの朝 パパが作った朝ご飯
美味しいねって言いそびれて駅へ
「東京じゃもう 桜が咲いているかな?」
運転席で 独り言みたいに

不安や寂しさなんかより もっと大きく強いもの
溢れ出して止まらない
それを今は「夢と希望」って呼んでおこう

雪降る街に生まれたの
離れていく私を笑って送り出した
あなたの元に生まれたの
動きだした列車の窓から顔が見えた
「元気でね」 元気でね

高速道路とビルに切り取られた空
その青の向こう あなたに繋がってるよ
眠れない夜 電話したらママが出て
その後ろで「帰って来りゃいい」
やっぱり独り言みたい

今度の休みに帰るから また作って朝ご飯
「美味しいね」「ありがとう」
あの朝に言えなかった事 伝えるの

雪降る街に生まれたの
一緒に過ごした時間は 思ったより短くて
あなたの元に生まれたの
守ってもらったように誰かを守りたい
あなたの元に生まれたの
迷いながら それでも笑って生きていくから
見ていてね 元気でね
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