昔々ある森に
赤い嘴の美しい鳥が一羽棲んでいました
羽は風を孕み
時に青色や朱色にも黄金にも見えたそうだけれど

誰の目にも触れることなく
ひっそり死んでった

都会の小さな少女がそんな夢を見た

少女は鳥に名前をつけた
短いけれど美しい名前だった

少女の胸の中で
その鳴き声は響いてた
いつまでも
まるで棘が刺さったように
×