浅草物語

どうせこわれた 人形の身なら
夢の破片を 集めても
元の躰にゃ 返れぬものを
なぜに浅草(えんこ)の 灯が恋し

紅い花びら 夜空になげて
見ればはかない 流れ星
今じゃ隅田も 想い出だけに
生きる女の 船着場

褪せた色香に ルージュを塗って
煙草輪に吹く この頃は
宵の六区の 切紙細工
どこに私の 夢がある
×