ナクスコトデシカ

無くすことでしか 失うことでしか
僕らは気付けない
本当に大切なものがなんだか

ある日突然実家からかかってきた電話
取り乱した母からの急な連絡は
とうさんが死んだ なんていうのさ
たった今死んだ なんていうのさ
昨日までは普通に朝会社も行って
仕事して帰宅 いつもの冗談言って
それなのに今日だけは違ったんだってさ
返す言葉もなく僕はただ黙ってた
それからのことはあんまり覚えてなくて
病院も葬式も全てがあっという間で
気が付けば家族が 一人減ったんだ
ふとした時に涙が流れるようになったんだ

亡くすことでしか 失うことでしか
僕らは気付けない
本当に大切な人が誰だか

あえて詩にして 唄にのせるのは
当たり前のこと ラップにするのは
すぐにそれを忘れるからなのさ
人はそれを忘れるからなのさ
例えば 健康だと思っていた体
例えば ずっといると思っていた仲間
例えば 途切れなく舞い込んでいた仕事
例えば この胸のおくにある理想
誰かの愛情 人の優しさ
大事なことに気付くのさ
失うことで 僕らは
それを知るのさ 知るのさ

やり直せたならいいのにな
間違えたあの場所に戻れたら
過ぎ去った日々は過ぎ去った日々です
悔やんだって 泣いたって そう もう遅い

つまずくことでしか 傷つくことでしか
僕らは気付けない
本当に大切な場所がどこだか

無くすことでしか 失うことでしか
僕らは気付けない
本当に大切なものがなんだか
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