涙つづり

だまされましたと 私が言えば
似た者どうしと あなたが笑う
借りもの世帯が 始まりで
くの字 登りの 坂ばかり
がんばって 越えてきた
涙つづりの 夫婦(ふたり)の道よ

いまさら帰れる 故郷はなくて
瞼にうかべた 夜汽車の灯り
書いてもたりない 詫びごとを
書いてどれほど すてたやら
その先は 話せない
涙つづりの 夫婦の愛よ

苦労のかずだけ 蕾をつけて
今年は咲きます しあわせざくら
人生ここから 折り返し
のこり半分 あるけれど
きょうだけは 泣かせてね
涙つづりの 夫婦の春よ
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