飛翔

大きな曲がり角 出会う度いつも
明日を恐れ泣いている 海辺のカモメになる
白さに溶け合うように絡めて固まる手を
解いて空に広げれば 身体も羽ばたき発つ

雲間には今 流れ出した光が空を染めて
小さく手を振る
私が願った大きな羽根が芽生えるのを叶えるように

訪れる時の狭間にも 別れゆく景色があると知らぬままに
強く刻んだ幻 出会う明日のため
忘れてゆくだけ

水面に黒い影 ゆらゆら揺れて
私に話しかけたならあなたの姿になる
もうすこし此処に居たいと 私は羽根を捨てて
残した空への想いも 心に隠したまま

地上にはまだ私を待つ何かがあると言って
微かに笑った 私が望んだ願いは
拙い夢だと懐かしむように

過ぎて行く時の狭間にも
捨て去った想いがあると知っていたから
決して何も追わない
出会う明日のため思い出すだけ
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